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妖界において、鬼の隠れ里は極点の南にある。一方、水や氷の属性の生活エリアは北東の位置である。
そのくらいは、洋輔も知っている。
正反対とも言える地域に暮らす妖に、交流があったとは考えにくい。
まして、属性の違う妖だ。
「鬼と雪女に関係があるの?」
「直接の関係は無いが、この世界に生きる妖なら雪女の怖さは有名だ」
「そうなの?」
洋輔は、河童と鎌鼬に視線を送り確かめる。
二体とも言葉にはしないが、頷く事で肯定の意思表示をしていた。
雪女の怖さ。
妖界において北東のエリアで、不死山のすそのは常に雪に覆われた未開の地。
不死である妖でも、足を踏み入れれば永遠にさ迷い続ける事となる。そこに暮らす雪女や雪男は、他の妖との関わりを嫌いエリアから出ようとしない。
だがひと度、雪女に敵意を持つと雪や氷を操る能力で、一生動きを封じられてしまう。
「人間なら、それで命を失う」
「なるほど……」
「それに、大妖の妖気を受けたとなると、攻撃的になるから余計に厄介だろう」
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