第二章 雪女の戦略

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   鎌鼬も鬼も、そうだった。  妖自身の意思では、一度受け入れた大妖の妖気には抗う術は無い。 「雪女に、勝てるのか?」 「分からない。でも雪女は人間界に、何かしらの影響を与えられる可能性があるから戦うしかないよ」 「だが……」 「とにかく、神奈ちゃんと雲外鏡のところに行って、これからの事を話してみるよ」  そう言われると、鬼達には何も言える事は無い。  三体の気持ちは、洋輔にも理解できている。  心配なのだろう。  実体化した姿では無いにしろ共に戦う仲間であり、鎌鼬と鬼に取っては洋輔は恩人なのである。 「近い内、みんなとゆっくり話しに来るよ」  洋輔は、三体にそう言って手を振った。  光の柱が出現し、洋輔がその中に身を置くと沈み込むような感覚の中で、その体は小屋の中に移動した。 「洋輔殿……」  洋輔を見送った三体は、心配そうな顔で見詰め合った。  気が付くと、洋輔は神奈の待つ小屋の中に立っていた。  神奈は、三つ指をついて深々と頭を下げて洋輔を出迎えている。
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