第二章 雪女の戦略

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   河童の仕込み槍を手に取る。  いつものように、左手に三拍子のリズムが伝わってくるのだが、意識しなくても同調している。 「洋輔さま?」 「神奈ちゃん、変わった」 「何が、変わったので御座いますか?」 「何と言うか、槍との同調が自然なんだ」  そう言うと洋輔は、何のアクションも起こさず槍を伸ばすと、鬼の鼻先でその穂先を止める。  余りに一瞬の事で、鬼は身動き一つ出来なかった。  槍の伸縮速度が上がる。  それも、同調が深まった証拠なのであろうし、鬼の鼻先寸前で止めたのも同様だろう。 「神奈ちゃん、鬼の金棒」 「はい。かしこまりました、洋輔さま」  洋輔は、金棒を受けとる前に小屋の外へ出た。  流石に、金棒にどのような能力があるのか分からず、どれだけの破壊力を放つのかも分からない。  それを考え、小屋の外へ出たのだろう。 「洋輔さま」  神奈は、胸の前に鏡を構えると呪文を唱えた。  その呪文に応えるように、鏡面が輝きを放つと共にそこから金棒の一部が競り出してきた。
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