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  未流は学校のブレザーを羽織る。朝なのに空の至る所に積乱雲が湧きだしていた。 (雨が降るのかな) 未流は玄関で青い傘を握ると自転車のフレームに差し込む。 十月の後半なのに遠くで雷が轟いていた。 未流は自転車に乗ると、まとわりつくような分厚い空気の中を、東に向かって走る。 詩雪はきっと何かを知っていると未流は思った。 .
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