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?「ハァ・・ハァ・・やっ、やってしまった・・・」
夕日により、オレンジがかった教室で、少年は呟く。
教室には、呆然と立っている少年
派手に倒れている机とイス
そして、頭から血を流して倒れている少女
?「お、俺が悪いんじゃないからな・・・・。お、お前が悪いんだからな・・・・。」
?「俺はただ、お前がいつもみんなの迷惑になることをしてるから、それを叱っただけなんだ。そしたら、お前がいきなりキレてつかみかかってきて、俺はただそれを突き返しただけなんだ・・・・そしたら・・・・」
少年は少女に目をやった。
少女は気絶しているのか、未だにぴくりとも動かない。
少年は急に恐ろしくなった。
もし、この少女が死んだら、殺人罪として逮捕されること、
また、人を殺してしまったかもしれないという恐怖。
辺りは既に暗くなっている。
「っ・・・・捕まるなんて絶対に嫌だ・・・・俺の人生、こんなことで、台無しになってたまるかよ・・・・」
「・・・・逃げよう」
少年はその言葉を言うと同時に走り出した。
教室に、倒れた少女を置き去りにしたまま。
少年は闇へと消えていった。
*(とろろ)
闇の中。
床に倒れ伏した少女の腕が、小さく動いた。
そろり、そろりと伸びていく。少年の消えた方へ。
ゆるり、ゆるりと伸びていく。
少年に追いすがるように。
*(さんしょー)
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