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「……君は相変わらずだね」
男は目を逸らすことなく、俺に語りかける。その口調はまるで子供に優しく諭すかのような口調だが、笑顔は消えていた。
「……相変わらず? どういう意味だ?」
「そのままの意味さ。君は監禁される前と態度がまったく変わっちゃいない」
男は無表情のまま答えた。その言葉を聞き、俺は一瞬固まってしまった。
何しろ、その言葉が意味することは、目の前にいるこの眼鏡の男が俺自身を閉じ込めた張本人だと言っているようなものなのだから。
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