教育

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「は?」  思わず反射的に返事をした。いや、返事というより咄嗟に出た言葉だ。今までの話は理解はしにくかったが、納得できる話ではあった。  遺伝子解析プロジェクト、いかにもありそうだ。だが、今男が発した言葉は信じがたいものだった。 「超能力……?」  半ば呆れ顔で俺は男を見た。しかし、男の顔はふざけているようにも、冗談を言っているようにも見えない。むしろ真剣さしか感じられない。 「そう、君には超能力がある」  超能力。今まで何人もの人間が渇望した人類の夢。子供の頃なら誰でも欲しいと願ったことだろう。俺も例外じゃない。だが、これはにわかにも信じがたい。俺が火を掌から出したり、時空間を操れるのか?  否。そんなことできるはずがない。第一そんな芸当ができるならば監禁されている最中にその超能力を発揮し、脱出することができたはずだ。
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