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「……ぅ……?」
お前は誰だ? そう尋ねようとしたのだが、口が上手く開かない。それどころか喉が機能しているのかどうかさえ怪しい。声が出ないのだ。
「ああ、囚人。君は何も喋らなくていい。どうせ肉体的機能は充分に機能しないんだろう?」
男はへらへらと笑っている。意味が分からないが、馬鹿にされているのだろうか。よく分からない。
何か言おうとしたが、声すら出ない。何も行動が起こせない。
「今日君の牢を訪れたのはある目的のためだ」
何か言ったかと思うと、男は彼に背を向けた。
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