12人が本棚に入れています
本棚に追加
園長が私の顔を覗きこんだ。
近い。
「どうした?」
「なっ、」
「な?」
「何でもありませぇぇぇぇぇん!!!」
─ダッ!
あまりの恥ずかしさから、私は園長から速攻で逃げ出してしまった。
ああ、あんなに意識しちゃって恥ずかしい!恥ずかしいよぉぉ!
「うわぁぁぁぁん!!」
ダダダダ…
「…あーあ、行っちまいやがった。」
ヒソヒソ…
「ん?」
(ね、ね。さっきの絶対わざとだよね)
(うん。園長華ちゃんのこと苛めるの大好きだから…)
「………」
ヒソヒソ…
(でもさ、それって悪趣味だよね。華ちゃんの困った顔見て笑ってるんでしょ。キモーい)
(しょうがないよ。だって園長華ちゃんのこと…)
「何か言ったかペンギン!!」
ヒソヒソ…
(え、聞こえてるの?)
(そんなわけないよ)
(だよね。ね、ね。さっきの続き!)
(あぁ、園長は華ちゃんのこと…)
「おい、そこのペンギン二匹。お前ら今日メシ抜きじゃ。華に言っとく」
(え、ヒド)
(さっきぼくらのこと家族だって言ってたのにね)
(うん、聞いたよね)
(聞いちゃったよね)
「~~っ!黙れぇぇぇぇぇ!!」
園長、今日一番の大声でした。
─end─
最初のコメントを投稿しよう!