逢魔ヶ刻動物園

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園長が私の顔を覗きこんだ。 近い。 「どうした?」 「なっ、」 「な?」 「何でもありませぇぇぇぇぇん!!!」 ─ダッ! あまりの恥ずかしさから、私は園長から速攻で逃げ出してしまった。 ああ、あんなに意識しちゃって恥ずかしい!恥ずかしいよぉぉ! 「うわぁぁぁぁん!!」 ダダダダ… 「…あーあ、行っちまいやがった。」 ヒソヒソ… 「ん?」 (ね、ね。さっきの絶対わざとだよね) (うん。園長華ちゃんのこと苛めるの大好きだから…) 「………」 ヒソヒソ… (でもさ、それって悪趣味だよね。華ちゃんの困った顔見て笑ってるんでしょ。キモーい) (しょうがないよ。だって園長華ちゃんのこと…) 「何か言ったかペンギン!!」 ヒソヒソ… (え、聞こえてるの?) (そんなわけないよ) (だよね。ね、ね。さっきの続き!) (あぁ、園長は華ちゃんのこと…) 「おい、そこのペンギン二匹。お前ら今日メシ抜きじゃ。華に言っとく」 (え、ヒド) (さっきぼくらのこと家族だって言ってたのにね) (うん、聞いたよね) (聞いちゃったよね) 「~~っ!黙れぇぇぇぇぇ!!」 園長、今日一番の大声でした。 ─end─
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