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【Rabbit】
※ちょっと注意?
「ソウルって、ウサギみたい」
「あ?」
床に座って雑誌を読んでいるソウルにそう言うと、彼からはなんとも不機嫌そうな返事が返ってきた。
「だってさ、目真っ赤だし、髪白いし!」
「冗談じゃねーよ…。ウサギなんてCOOLじゃねぇ…」
ソウルはそう言ってから大きなため息を吐き、再び雑誌に視線を戻した。
よっぽどそう言われるのが嫌なのだろうか。
「…可愛いのに」
「…あのなぁ、可愛いものに似てるって言われても全ッ然嬉しくねーんだよ」
「ん?ウサギにだって外見に似合わないところがあるかもよ?」
「…なんだよそれ」
「さ、ぁね…自分で調べれば?」
「ふーん…」
ソウルがニヤリと危険な笑みを浮かべたのを私は見逃さなかった。
ヤバい、と思った頃にはもう遅く、私は自分が座っていたベッドに押し倒されてしまっていた。
「マーカ」
「あ、の…ソウル?ちょっ…退いてよ!」
ソウルはあっと言う間に私の上に覆い被さってきて、プチプチとワイシャツのボタンを外し始めた。
それに気づいて必死で抵抗するものの、ソウルは微動だにせず涼しい顔でボタンを外していった。
「っ……!」
「…なぁ、さっきの教えろよ」
「ひゃっ、」
全部ボタンを外され肌が露になったと思うと、こんどは首の辺りにソウルが顔を埋めてきた。
「ん、っ!」
「…教えてくれねーと、今日はひどくしちゃうかもよ?」
「っ!!」
(何言ってんのよバカバカバカ!!あんたが勝手に始めたくせに!)
そう怒鳴ってやりたかったけど、ソウルの目がマジだったので「う…」と声を漏らすことしかできなかった。ソウルはやると言ったらやる人だから。
となると私に残された選択肢はたった一つ。
「ソウル…」
「ん?」
「言、うから…お願い…ひどくしないで?」
「…分かった。…で?」
「………」
私はソウルの耳に口を近づけ、そっと呟くように言った。
言い終わるとソウルはニヤリと満足そうに笑い、そして一言。
「俺にピッタリじゃねーか」
(ウサギって一年中発情してるんだって)
ほんとソウルにピッタリな動物よね…。
─end─
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