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「そこかァァァ!」
ラルが一瞬にして遠くに居た何かを蹴り付けた。
「……っ!」
「手応え……アリっ!」
そこには、衣服がボロボロになり頭から真っ赤な血を流す魔王と、その魔王のこめかみに渾身のハイキックをヒットさせたラルの姿が。
ラルの足は魔王の顔に当たったまま動きが止まり、魔王は倒れることもせずただ俯き気味で幽霊のようにそこへ立っていた。
「……やってくれんじゃねぇか」
「っ!(こいつ……何かやべえっ!)」
咄嗟にラルは魔王から離れる。
しかし魔王はラルに向かい高速で火炎弾を撃ち出し、それが全て命中し、ラルは瓦礫の上へと倒れた。
「そんなっ……ラルさんっ!」
「速え……何だ今の魔法は!?」
見たことも聞いたことも無い謎の魔法……!
何なんだよアレ!?
尋常じゃないスピード、更にあの威力……!
野郎、遂に本気出しやがったな……!
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