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「……~っ!あ~、いってぇ……さっきの魔法といい、今の蹴りといい、いい攻撃すんじゃねぇか」
首をコキコキ鳴らしながら、その鮮血のような真っ赤な瞳で俺を見据える。
うっ……今まで感じた恐怖とはまた別の、恐怖に近い“それ”が全身に襲い掛かる。
冷や汗が止まらない。
気がおかしくなりそうだ。
魔王ってのは、対峙するだけで人を狂わせるのか。
そんな化物に一体どうやって立ち向かう?
「……自分の血ぃ見るなんて何時ぶりだ……?とにかく、お前らは俺にちょっぴり本気を出させた……中々凄い事だぜ?」
あれで“ちょっぴり”か……ラルをその“ちょっぴり”で倒しやがるってのか……?
「ミオっ!……ラルを頼む」
「はいっ!既に!治療を開始しているでありますっ!」
あの火傷は……早いとこ治さなきゃヤバイ。
んで……ラルはこの戦闘中の復帰は無理そうだ。
「ルミ!援護しろ!」
「了解だよっ!」
暫く二人でやり過ごすしかなさそうだな……!
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