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「はっ……まあ、その通りだよ」
半ば自嘲気味に呟いた不良は起き上がって、沈みかけている夕日を見つめながら続ける。
「ただし、それは“ある性別”に対してだけだがな。小説狂、お前は――
不良の言葉の途中で、再び破裂音と共に轟音が鳴り響く。
大地は揺れ、不良は思わず身体のバランスを崩し
――お、んつっ!!」
舌を、そこはかとなく、したたかに、クリティカルな感じで噛んでしまった。
そして、それは同時に1つの心に火を点ける事となる。
「小説狂、気が変わった。行くぞ、爆発の元凶を殴りに」
不良の言葉を聞いたとたんに、小説狂の瞳に幾つもの光が灯った。
「よしきた! じゃあ行こう!」
そんなこんなで、二人は公園を後にする。
暗き思惑と共に。
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