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「お前の言い分は分かった」
架笠は腕組みをしながら言った。
「ならば、俺も差別を止めよう。正直お前の話には関心した。俺もその生き様を試したくなったよ」
そう言った架笠は懐から拳銃を抜き、御並に発砲した。
小さな銃弾は容易く御並の命を撃ち抜き、御並の体躯を地へとひれ伏せた。
「なっ、架笠さん!?」
取調の会話を記録していた句裁が驚愕し腰を浮かせた。
しかし架笠は句裁が完全に立ち上がる前に手持ちの拳銃を発砲した。
句裁も御並と同じように地と熱い抱擁を交わす。
「……全てを同一視する、か。なかなかどうして──気分がいい。今迄の重責が嘘のようだ。面倒だった仕事も終えることが出来た」
架笠は床に転がる二つの塊を見て呟いた。
「なるほど、ちょっとした心掛け次第だったわけだ」
認識を、視野を変えると世界の見方が変わっていく。
「ああ、世界はなんて尊く、またそれと同じ位にくだらない」
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