p01 転校生と被害者

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速足で教室に向かう……… 彼女に向けられる視線、聞きたくもない声。それが 日常茶飯事。 「まだ、登校してるよ…」 「かわいそう、クラスが」 そんな空間を無視して教室に行く。 2-7、ガラッ 後ろのドアから席に向かって歩く…その間、教室はかすかな物音さえもしない。 キュキュタッキュタッキュタッ 聞こえる音は自分の上履きのみ。 キュタッキュタッキュ 響く音、ガタ……窓側の席に着く。 途端に教室は、話し声や笑い話に包まれる。 これも日常茶飯事なのだ。 「でね~アイツバカだ……」 ワハハハハ 由宇はチラッとそんな風景に目を向けながら左の窓へ顔を動かす。
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