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高速道路の建設作業中に事故は起きた。
作業員が工事用の足場から転落して死亡したのだ。
工事中に起こった事故は、安全管理がきちんとされていたかを確認する必要がある。
現場監督の証言によると当時、作業員が転落した瞬間を見た人は誰も居ないという。
次に、作業員の安全のために立てられた柵には、補強のために角材などで固定されている。
「おや、手すりや足場が錆びているようですが」
おそらく風雨によって錆びたのだろう。
「1ヶ月間ほど工事を中断していたんです。騒音の苦情がありましてね。3日前から再開したんですけど、事故が起こるなんて本当に残念です」
そして、問題の足場へ向かった。手すりを固定する釘が太陽の光に反射して光っている。
「この手すりは、工事の開始時に取り付けたものですか?」
「はい。工期が長いのでね。ここでの作業は、まだ無かったですから安全に使えると思ったのですがね」
「手すりも少し錆びていますね」
しかし、この程度の錆びなら転落事故にはならないはずだ。
だが、刑事はあることに気が付いた。
「もしかしたら、この手すりは、ついさっき取り付けたものかもしれない」
つまり、当時、ここの足場には手すりなど無かったのではないか。と、考えた。
「現場監督さん、もしかしたら、安全管理できてなかったんじゃないですか?」
さて、刑事は、現場の何に気が付き、安全でなかったと言ったのでしょうか。
読者の皆さんには、刑事が何に気が付いたのかを推理して欲しい。
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