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晴斗はソファーに寝っ転がるとテレビをつけた。
ガヤガヤとざわついたテレビの音が少し心に安らぎを与えた。
そしてその安らぎは先ほど少女と今の自分に対して言った「なんとかできないかな」という考えを少しだけ温めてくれる。
自分がこの先どうなっていくのかなんて正直よくわからない。
ただ、あの少女の寂しげな憂いのある笑顔が、頭から離れなかった。
そしてその笑顔を屈託のない本物の笑顔に変えられたのなら、死んでも悔いは残らないんじゃないかとさえ思った。
「やっぱり明日、会いにいこう。」
どこに行けば会えるのかなんて知らなかったが、必ず会える気がした。
いや、会わなければいけない気がした。
そうして晴斗は強く、優しく思いを固めた。
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