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「なぁハルト、お前、もしあと一年で死ぬとしたらどうする?」
…丈の何気ない問いかけに体中の血が激しくざわつき始めた。
「さあな…。何だよ急に?」
「いや、昨日のせかマジは余命一年を宣告されたおばあちゃんのドキュメンタリーでさ…
やべえ、今思い出しただけで泣けてくる。」
自分は最後のこの一年間どのように生きていくのか?
考えなければいけない一番の問題を晴斗はこの男に見透かされたような気がした。
「あのさ、ジョー。」
「ん?」
「もし、オレがあと一年で死ぬとしたら、お前はどうする?」
「うーん、どうだろうな…。その時どうするかは分かんないけど、たぶん今まで通りってワケにはいかなくなるんだろうなって思う。」
「どういうこと?」
「うーん、何つーかオレ達の間に遠慮みたいなものが絶対生まれてくると思うんだよなぁ。
だって友達があと一年で死んぢまうんだぜ?
距離を置きたくなることだってあるかもしれないし…」
晴斗は丈の真面目な受け答えに正直驚いていた。
「お前って割とドライなヤツだな…。」
「そうか?」
普通じゃない?とでも言いたげに丈は首をかしげる。
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