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街を抜けて河川敷に出た。
雨で土の色に濁った川の水が橋から見える。
…隣には1人の少女がいた。
傘も差さずに川の濁流をただ、見つめていた。
晴斗は少女に駆け寄った。
「君、どうしたの?」
「………。」
少女は何も言わず、ただ立ち尽くしている。
「…風邪引くよ?」
右手に持った傘を開いて少女に手渡そうとした、が…
その手ははねのけられた
「ごめんなさい…
今は…今は、放っておいてください…」
少女は目も見ずにそう言った。
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