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「思ったんだけどさ?一番君」
「あ?あんだよ」
トイレットペーパーをぐるぐる包帯のように手に巻く高野を横目に一番は眉を寄せる。
「まっ毎回、毎回、僕をトイレに連れ込んで便器に顔突っ込ませるとかさぁ…それってさ…」
どんどん手に巻くトイレットペーパーが分厚くなっていく。
「………」
「いじめ…って言うんじゃないかなぁ」
「今、気付いたのかよ。てめぇ。」
「!? やっぱりそうなの?!」
立ち上がったせいか、はらりはらり巻いていたトイレットペーパーが解けてコンクリートに落ちてゆく。
「当たり前だろ」
「…えぇ…」
がくっと再び便器に腰掛けると隣の一番がしかめっ面で高野を見つめ始めた。
高野はチラチラと一番の様子を伺っていたがいつまでたっても身動きしないもので内心何をされるのかとドキドキだった。
と、突然両手を掴まれ無理矢理一番の方向に向かせられると目を丸くする高野。
そんな高野の白衣とシャツを力任せに裂く一番。
「いっ、いいい一番くん!?こここれ、これ一着しか!」
「てめぇ金持ちだろ買えよ」
首筋に顔を近付ける。
鼓動の速度が上がり、思わずギュッと目を瞑る高野。
いつの間にか顔面は紅く染まっていた。
首筋に鼻が触れただけで、
「ぅひゃぁッ」
甲高い声を上げた高野。
「…よし、行くぞ」
「いい、行くってどこ、ぎゃあああ!ちょっと!服!胸見えてるのにぃいい!」
スクッと立ち上がり首根っこを掴むと高野を引きずりながらトイレを出た。
(ちょっと期待した僕が馬鹿だった!!)
終わり
高野いじり
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