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目を覚ますとまず見覚えのある天井が視界に入った。
隣から心地良い風が髪を撫でる。
起き上がるとふわっと白いカーテンが靡く。
視線をそちらにやれば窓が全開になっていた。
そっと手を伸ばす。
「‥‥」
パシッ、と音がした。
掴まれた手首。
長い腕の先を目で追っていく。
「やっと目を覚ましたか」 顔に辿り着く前に声で誰かを認識できた。
「‥朝田‥」
掴まれていた手首が自分の膝の上に置かれる。
微かに握ってみせると包帯が巻いてあることが分かった。「娘が亡くなったから俺もってか?」
呆れたような口調でそう言いながらベッドに腰掛ける。
「‥‥‥お前には関係ない」眉間の皺がキュッと増えると布団を掴み再び身に被せ寝転がる。
「ああ、関係ねぇな」
武骨な手が布団の隙間から進入。
それは、藤吉の尻に触れた。肩を跳ねさせた藤吉は驚いてバッと朝田に振り返る。
「どこを触ってるんだ」
仄かにピンクに染まる頬を見て朝田は笑う。
「そう、その顔だ」
「‥‥?」
「あんたがいっちまったらチームドラゴンはどうすんだ」「‥‥。」
「俺はあんたが必要だ」
立ち上がり、見上げてくる相手の頬に触れる。
「‥恥かしい台詞だな」
口許を緩めた藤吉の和らいだ表情にホッと胸を撫で下ろす。
「あんたにだけ言えるんだ」顔を近付けると額にキスを落とす。
そうすると藤吉の顔面は更に赤く染まっていった。
「‥‥さっきからおまえは‥」
「なんだ?」
「っ‥‥‥なんでもない」
終わり。
アカン藤吉さんがかわいく書けへん←
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