渇力

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殴る。殴る。 鼻血がでるほど、 殴る。 殴打の嵐。 久住の拳と顔に鮮やかな血飛沫。そこに張り付く生き生きとした久住の表情。血飛沫を浴びて益々輝きを増す、毒婦か不死鳥。 涙流して礼をいう。 「ありがとうございました」 打撃とくらくらする眩暈といつまでも続く鈍い痛感覚。 本当の殺意ってものを。 味わった者だけが。 感じる極楽浄土の境地。 爽快感。解放感。開放感。レイプレイプ霊婦…。 「ああ~やっべ~よ~…」 ぐわんぐわん廻る頭痛の中、舌で奥歯を触るとこっちもぐらぐらした。 永久歯なのに抜けそうだ。明日歯医者逝くか。 タオルで汗と口の中の血を吸わせる。 止血?吸血?バンパイア?やっべ~よ。 金足りない。 また久住さんとこにも通いたいし三咲んとこにも行かなきゃなんねぇのに。 金がいる。 久住の殴打参りと三咲嬢のAF。 それが今の俺が生きる全てだ。 幼児虐待を両親に受けてから始まり、 幼稚園から中学までずっと撲られ蹴られる虐められっぱなしのクソ人生。 健やかな健康優良児の俺に育まれたのは、自分は生まれてきた意味はサンドバッグ代わり以外なく、どうしようもない奴という劣等感と見事な敗北感だけだ。 老若男女のストレス発散という徹底的な暴力、加虐のかぎりを一身に受けた俺に。 パンドラの希望なんか残っちゃいないぜ。 明日は歯医者行ったら抜歯プレイがある。 麻酔なしで頼むんだ。悲鳴を上げるかもしれねぇな。痛み止め貰っても飲まずに、暫くは痛み地獄の快感が俺を待つ。 とにもかくにも金がいる。 こんな俺でも殴られたりクソが詰まったケツ穴にぶちこんだりして。ヒイヒイ悦ぶ対価だけの為に。それが生きる糧になってるが為に労働し。奉仕するという社会と人様のお役に立てるんだからな。 明日も日雇いのきついきつい肉体労働が俺を待ってる。 体が悲鳴を上げようがなお社会も女も俺をただの社会の歯車としか見ないんだ。 工場薬液が目に入り、片目を失明したとしても。責任者も誰も何にもしてくれない冷たい世の中なんだぜ。 俺を、この俺を。 今日も痛めつけてくれ頼む。 痛みに悶絶し不浄にまみれながら犯す背徳に喘ぐ、苦痛と汚辱と恍惚の瞬間だけが。 俺の体に生きてるという実感を与え意味を成す。 父親に性的虐待されて歪んだ、久住女王の全男への復讐と殺意が篭った鉄拳パンチ。 同級生の虐めで売春強要され、貢いだホストに風俗沈められた三咲嬢の汚れた尻穴。 それが俺の渇望する活力。
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