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【こちら、天安門広場前です。北京は戦場と化しました。つい先ほどまで富裕層派の軍隊と共産党の軍隊が激しい銃撃戦を行っていましたが、富裕層の軍隊が今、天安門の奥にある共産党本部になだれ込みました。次々に、共産党員が引きずり出され、処刑され、吊るされています。こんな、こんな事が現実にあっていいでしょうか!バン、バン!ガーーーー】
画面には、首に紐を巻かれて吊るされている映像が映し出されていたが、すぐに銃弾の音と共に画像と音声がとぎれた。
ルーールーールーー♪
閣僚達の携帯電話が一斉に鳴り出した。各省からの緊急電話が入ったようだ。
それぞれが電話に出た。
石井は、SPのお銀に電話した。
「お銀さん!」
【どうした!】
「中国で革命が起きました」
【あぁ!】
「閣僚室に来てください」
【いいのか】
「お銀さんの意見を聞きたいのです」
【分かった】
お銀と龍は、石井の専属SPになり、24時間警護をしている。柳田は、ジャクソンとの約束で沖縄の普天間基地海兵隊に出向している。
お銀が、髪を後に束ねピチッとした黒のスーツ姿でゆっくりと4名のSPの間を通って閣僚会議室に入ってきた。閣僚達はその妖艶な美貌に引かれて一瞬目をやる。
「どうなったんだ。大臣」
「お銀さん、僕の横に座ってください」
石井は予備の椅子を、お銀に差し出す。
「いいのか、俺がこの中に入って」
「怖くて、反対する者はいません」
「おい!」
お銀は石井の横に座った。
ゾロゾロと各省庁の中国担当者が閣僚室に入ってきた。国家防衛作戦会議に切り替わったのだ。
石井はお銀と外務省中国局の情報を携帯で見ている。次々に正確な情報が中国大使館から入って来ている。
官房長官が立ち上がった。
「中国で革命が起きたようだ。各省の意見を聞きたい。まず、防衛大臣、日本海にいる中国大艦隊はどうなっている」
「微動だにしておりません。補給艦がいつものように、動いているだけです」
「撤退しないのか?」
「その様子もありません」
「石井外務大臣」
「中国とは戦争状態ですが、なぜ、総攻撃してこなかったか不思議に思っていましたが、軍部で内墳が起きていたのです。日本を侵攻するために共産党の主力軍が、海岸線に移動した隙に革命隊が共産党を襲ったのでしょう。空き巣に狙われたのです。日本を攻めている場合じゃあなかったのです」
坂井首相が「もう、攻めて来ないのか」
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