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個室から出て、作戦室に入った。情報官6名がすべての壁に設置されている大型画面に日本と中国、朝鮮半島を映しだしている。
防衛会議のメンバーは首相をはじめ、官房長官、防衛大臣、総務大臣、外務大臣、国交省大臣、自衛隊各幕僚長の少数精鋭だ。
全員席に着いて、テーブルの上の液晶画面を見ている。
オブザーバーとして会議メンバーの後に部下が二名座っている。
石井の後にはお銀と龍が大きな顔をしてゆったりと座っている。
「石井大臣、中国はどうなる」
坂井首相が真っ先に石井に聞いた。
「まさか、革命が起きるとは想定をしておりませんでしたが、革命軍は周到な準備をしてたようです。もう、ほぼ中国を掌握しています」
「軍、警察の反抗は無かったのか?」
「革命政府は給与の5割り増しを警察と軍に約束したようで、苦しい安月給から解放され、目先の金で共産主義に嫌気がさしたのでしょう。反抗は散発しか起きてないようです。人民も賛同しています」
「革命は成功だな」
「そうです。本来の中国に戻ったと思って下さい」
「手強いのか」
「鉄鋼業界の会長の劉応が皇帝になったようで、こいつは世界の鉄鉱石を一年で中国の物にした切れ者です。今度は、中国を手に入れました。それと新国名を『曹』と言われているようです。午後にでも皇帝の会見があるようです」
首相が真っ白い制服を着た幕僚長に顔を向けた。
「長浜幕僚長、大艦隊の動きは?」
「艦隊は動いておりませんが、補給艦の動きが活発になってきてます」
「どう言う事だ」
「総攻撃の準備に入ったと思われます」
「首相!」
画面を見ていた石井が声を荒げる。
「どうした」
「たいへんな事になりました。即時、日本人の国外退去命令が出ました」
「すべて、総攻撃の準備だな、長浜、先に攻撃しろ」
「…………いいのですか?先制攻撃は自衛隊法に反しますが……」
「俺が責任をとる。やれ!今すぐ、ミサイルを撃ち込め!先手必勝だ。全面戦争に突入だ!」
「はっ!すぐに海自防衛艦隊に命令します」
石井が「首相もう少し待って下さい。これは罠です。見え見えの戦略です。敵を引きずり出して、その隙にどこかを狙ってます。先ほど言いましたが日中戦争は我々が指揮をとります。何度も実戦を踏んでます」
「バカだね。手札も見ずに攻撃するのか?馬券を買うのにスポーツ新聞も買わないのか」
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