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●曹国、紫禁城、玉座●
煌びやかな衣装を着た劉応皇帝は紫禁城の玉座に座っている。
ここから、曹国4000年の歴史的会見を世界に発信しようと準備をしているようだ。
広い床に一人の軍人が頭を床につけ、ひれ伏している。
「顔をあげよ」
皇帝が言う。
「はっ!」
色白で軍人とは思えないような華奢な顔立ちをしている。
「韓信将軍、今回の働き、誠にすばらしかった。敵兵の心を見事に掌握し、完璧に我ものにしてくれた。もう、共産党員は曹国にはいない。それも、これも、すべてお前のお陰だ」
「そんな、滅相もありません。死にかけていた捨て子の私を育ててくれたのは、皇帝であります。ご恩は、まだまだ、返しきれません」
「お前を子供の頃から英才教育で軍人にしたことは大正解だった。
それでだ、九州を占領したいのだが、お前の力をまた見せてくれ。あの戦術で九州を奪ってくれ。どうじゃあ、できるか。敵には石井と言う歴戦の戦士がいるが勝てるか」
「石井……。名前は聞いた事はありますが……敵では御座いません。
九州だけではなく、日本全土を献上させていただきます」
「全土はいらん、東京にはアメがへばりついているし、アメはやっかいじゃあ、九州と沖縄だけでよい。本物の先端技術と無尽蔵の天然ガスが欲しいのだ」
「それは、たやすい事です」
「歴史的な漢の軍師の名前をお前につけたのは間違いではなかった。その名に勝るとも劣らないお前だが、石井には得体のしれいない軍師がついておる。それにアメもバックアップをしてくるだろう。3日間の猶予をやる。4日めの朝に石井の首を持って来い」
「はっ!たやすい事です。その軍師の首も添えて、3日めの朝にお持ちいたします」
「ハハハハ……。そうか、たのんだぞ。下がってよし」
韓信将軍は、座ったままスーと床を滑って、どこかに消えた。
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