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その日は突然やってきた。
「はぁ…はぁ…」
雨が降り続く中、一人の少年が走る。
その少年の名は斎藤和樹。
昨晩に通っている高校で火事が起こったのを少し前に聞き、今家を飛び出して学校に向かっているところだ。
「何でこんな時に…くそっ」
もう随分走るが、全く学校は見えない。
後少しだと自分に言い聞かせながら、すでに疲れきった足を動かす。
「全焼かよ…」
学校のあるべき場所には学校の面影はもはや残ってはいなかった。
その日、全校生徒が焼け跡に集まって臨時集会が開かれた。
この火事で死者も出たらしい。
それで、残った生徒は近くの新しくできた学校へ移り、先生はそれぞれの学校に移るとのことだった。
複雑な気分のまま春休みが終わり、新しい高校に通う日が来た。
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