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ここは、C葉県警察本部からも、相手にされてない、孤立した、不潔署捜査1課である。
なぜか警部補から警部に昇進できた南条警部は、椅子に腰掛け、鼻毛をピンセットで抜いていた。
時折、「おちー」とか「いてっ」等と声を発する。
1課の他の刑事達はそれを、呆れて見ていた。
すると南条は
「おわっ、こ、これは~~~」
と叫んだ。
皆は「うるせー」的な顔を向けたが、優しい花信刑事は、とりあえず近寄り
「どうしたんですか」
と尋ねた。
「お、花信刑事、見てみろよこれ。
白髪の鼻毛だ。
珍しいだろう」
南条はその毛を指でつまんで花信刑事の鼻先に持っていった。
「鼻毛が片鼻、何本づつ生えてるかは知らんが、白が当たると言うのは、確率少ないよな。
四つ葉のクローバーを捜し当てた感覚だ」
南条は得意げにそう言った。
花信刑事は呆れて、何も返答せず、自分の席へ戻った。
「よし、今度は、ケツ毛でチャレンジだ」
南条の挑戦は続くようだが、もうあんな馬鹿警部は相手にしないことを、花信刑事は心に誓った。
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