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「なあ、南さんはどう思う?」
佐山が枝豆をつまみながら言った。
「なーにが」
「例えば、俺らが車で事故ったりするとさ『警察官が事故』なんて騒がれる。
民間人なら新聞にも載りゃーせんのに」
「そうだな。
ケーカンが悪さすると、すーぐマスコミが騒ぎ出す。
警察はマスコミの格好の餌だな」
「そう思うだろ。
俺らだって人間だっつーの。
26万人も、警察官はいるんだ。
わりーことする奴だって、いるって」
「本当だ。
ケーカンの万引きくらい、騒ぐなっての」
「それは、よくないし、騒ぐ」
佐山は軽い笑みを浮かべた。
「ま、そーゆーのは、一握りの人間だけどな。
ほとんどのケーカンは、まっとうに任務を果たしてる」
「そーだー」
南条はテンションが上がって来たようだ。
「キャリアをどう思う?30前の警視が、長年現場を踏んで来た、ベテランデカをまとめようっていうんだからなあ」
佐山が問う。
「うちみたいな、落ちこぼれ署に、キャリアはおらんだろう。
気にならんよ」
「確かに、署長もノンキャリだが」
「やくざ相手は大変だろう」
話しが変わった。
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