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「メグは今日も呼び出し~?」
ふわふわの肩までの髪を弾ませながら、白石未来(シライシミライ)は恵に近づく。
恵は溜め息をつきながら、席を立った。
「いったい、誰のせいかしら?」
無表情に答える恵に、シュンとした顔で謝る。
「ごめんなさい、私です」
仔犬のように可愛い未来を、少し虐めるのが楽しい。
彼女に犬の耳と尻尾があれば、間違いなく今は垂れているであろう。
恵は、素直で可愛い未来が大好きだ。
「嘘よ、未来は悪くないわ。私が頼んだことだったんだし、いつまでも未来を縛るわけにはいかないっしょ?」
ニコリと笑うと、未来はパッと顔を上げ、尻尾を振っているかの如く、眩しいくらいの笑顔になる。
「メグは優しいねっ♪」
(この顔には癒されるな~)
尻尾を振っているであろう、未来の頭をよしよしと撫でる。
いつものことだが、クラスメートはその光景を微笑ましく見守る。
別名、『女神と天使の戯れ』だそうだ。
そんなことを皆に言われ、注目を浴びているとも知らず、二人は仲が良くいつものようにじゃれ合う。
「…まぁ、呼び出されたから取り敢えず行ってくる。未来は先に帰ってて」
「うんっ!明日は一緒に帰ろうねっ」
バイバイと手を振り、スキップしながら廊下に向かった。
(…ホンット、可愛い)
可愛い未来を見送りながら鞄を持ち、恵も呼び出された場所に向かおうとした。
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