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あの騒動の後の放課後、彼は駅にいた。
目的は勿論、歌うため。
通る人は見向きもしない。
彼はギターを持ち、弾き始める。
さーて、歌うか!
彼の口から音が紡がれる。
ああ、あの不良にも届いてほしかった。
「It turned one's eyes away────」
「俺のビートはきこえる?────」
しかし、依然誰一人として振り向かない。
今日も、ダメか。
彼に漂う諦めの匂い。
「憧れが力さ────」
「まっすぐ伝えたい気持ちがある────」
それでも、彼は歌った。
彼には諦めたくない、憧れがあった。
いつかなりたい目標が。
そこに、観客ともいえぬ声が演奏を遮った。
「お前は」
思わず演奏を止める。
鼻に絆創膏をつけたどこか漫画のような雰囲気のこいつは、今日喧嘩をしていた不良の片割れ。
「俺の歌を聴きにきたのか?」
99/100の絶望を、あるいは1%の希望を持って彼は不良に聴く。
「……好きにしろよ」
「……そうかい」
再び、彼は紡ぎ出す。
「It turned one's eyes away────」
「俺のビートはきこえる?────」
「憧れが力さ────」
「まっすぐ伝えたい気持ちがある────」
「possible to recall it────」
「駆け抜けれるこの足がある────」
「辛いリアルも燃料に変えて────」
「忘れたのか────」
「燃えていたお前を────」
「風がせかす────」
「もっと燃えろと────」
「I want to believe You────」
「まだ終わらないだろ────」
「風がなでる────」
「俺の冷めた体を────」
「変わりたい──進みたい──」
「扉を超えたその先の夢へ──────」
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