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「…一回、部屋、入って」 無理矢理蒼空埜さんを中に入れて、ソファに座らせた。 この人は寒がりだから、直ぐに暖房を点けてやる。 「…」 「あま、やだ」 「…」 「おれを、すてないで」 「…」 「あま」 「…翼」 「あま、いやだ、やだ やだ、わかれたく、ない」 「翼、聴いて?」 「やだ、やだっ…っ おれ、あまがいなきゃ、しんじゃう、しんじゃう…」 「…」 「おれ、きらいになったの? おれ、わるいとこ、ぜんぶ、なおすから…なおすから…」 全部、 羽瑠衣くんが仕向けたの? 「…翼、聴いて」 「ふっ、うっ、うう…ふ…」 「翼、俺と別れて」 「いやだ!」 ぼろぼろと涙を零しながら、尚も拒否を続ける翼。 俺と別れた方が、幸せになれるよ? もう、俺らの関係が『公認カップル』って言われることも無くなる。 堂々とアンタと羽瑠衣くんは愛を育んで行ける。 幸せ、になれるんだよ? .
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