日常

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とりあえず辺りを見回してみる。 気付くとここは自分のクラスの教室ではなく、準備をするための教室のようだ。 教室のあちこちから笑い声と何かを指示ような声がする。 クラブのみんな何かしらの作業を行っているようだ。 段ボールに何かを書いている者、段ボールを貼付けている者…みんなが座りながら作業をしている中で、俺だけが突っ立っている状況だった。 な、何かしなきゃな… 「よし!俺も…」 …何かしようと思ったが、俺のクラスの出し物は何だっけ。 俺の声に反応したクラスメイトはチラとこちらを見るがリアクション無し。 空気のように俺を扱い、ワイワイした空気が流れ出す。 「はい。 ヒカルはこれをやって。」 突っ立っていた俺にドン、と前を見るのが困難な程の段ボールが手渡された。 「な、なんだぁ?!」 なんとか前を見れば、同じクラスそしてこれまた幼なじみの 綾部 美穂(あやべ みほ)が立っていた。 どうやらこの段ボールを渡してくれたのは美穂のようだ。 「なんだ、じゃなくてこれを窓に貼ってよ!! お化け屋敷なんだから部屋を暗くしなきゃ駄目でしょ。」 美穂は明らかに俺に対して怒っている様子で、しゃくるように俺に眼力を飛ばしていた。 どうやら俺のクラスはお化け屋敷を出し物にするらしい。 言われて辺りを見ればホラーを想像させる小道具が沢山作られていた。
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