月夜のウサギ

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「サキ、お母さんはおばあちゃんのところにお団子渡してくるから。お月見の準備お願いね。」 「は~い。」 私はつまらない番組を垂れ流すテレビを消して台所へと向かった。 台所には茹で上げたお団子と花瓶にささったすすき。 台に載せるのは私の仕事。 「さて……。」 ラップを広げ冷まされているお団子を広げる。 やっぱりお母さんはお母さんだ。おおざっぱな性格がお団子にも隠れてる。 だからお団子積み楽しいんだよね。パズルみたいで。 「ここをこうやって……」 うん。少なくともテレビよりは面白い。 5分程お団子達と戦ってとりあえず台に積み終わった。 そういえばこの台なんていうんだろ。 ま、いっか。 さて、もっていこ。 すすきは後がいいかな。 なんか忘れ物があったら一緒に持っていけるし。 「よっこいしょ……」 失敗した。あっちで積めばよかった。 ……でも、ここでやり直したら負けな気がする。 「ふ……ん…………!!」 お団子なんかに……負けない!
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