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夕空に粉雪が舞い
凍える手の平に息を吹きかけると
なぜか何時も思い出す
懐かしいあの日
セピア色になった君
若かった二人は
並んで歩くだけで感じていた
互いの鼓動が聞こえてしまいそうで
つないだ手を強く離さなかった
来るとは思いもよらぬ
君との最後の夜には
白く小さな想い出達が 空から舞い降り
無言の頬に溶けていく
すする言葉は聞き取れない
かすかに聞こえた最後の声は
ありがとうって呟く
カフェのテーブルの向こうで
うつむいたままの君
言葉にならず黙ったままの2人
離したくない
でも…さよなら、なんだね ?
その時、不意に流れて来たあの曲
今…ケアレスのBGMが蘇る
あの甘く切ない記憶
忘れないよ
君の優しい微笑み。
柔らかい声‥、
握りしめていた手の
ぬくもりも‥すべてを…。
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