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朝、私はいつも通りに携帯の目覚ましで起きた。
花屋の父と薬剤師の母を持つ私の家の朝は早い。
私が起きた時には二人とも居ないこと良くあることだった。
高校の制服を着て、朝食を食べて、小さい頃から手入れを欠かしたことのない私の数少ない自慢の髪をポニーテールに結う。
そして玄関に置いた鞄を持ち、靴を履いて家を出た。
いつものように学校への道を歩いていると、
「ね~い~ろっ!!」
「のわっ!!」
「おっはよう♪」
これまたいつものように背後から衝撃が襲い、私は女子らしくない悲鳴を上げた。
「な~にが、おっはよう♪よ!!毎朝毎朝背後から抱きつかないでって言ってるでしょ、桃々!!」
「えへへ、ごめんね。」
そう言って悪気なく笑うのは、私の唯一無二の親友の鴇観桃々。
この子はクォーターで、蜂蜜色のフワフワの髪と黒く潤んだ瞳を持つかなりの美少女でさらには、スタイル抜群スポーツ万能だったりする。
その代わりなのか、勉強は全くできないといっても過言じゃないけど
そして私は、長いストレートの黒髪は自慢だけどそれ以外は普通の容姿だ。
スポーツは苦手だけど、成績はかなりいい方だと自負している。
現に県内有数の進学校で私は常にテストで一位を取っている。
桃々は所謂スポーツ特待だから、成績が悪くても同じ学校に通えている。
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