第零章『始まったプロローグ』

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俺、佐久間 望はいたって平凡な高校生だった。 部活は入っていないため、仲の良い友達は少なかったけど、そんなのは普通だ。 特に勉強が出来る訳でもなく、運動神経も人並み。 父は平凡な企業の部長だし、母は真面目な主婦だ。 真面目に何かに取り組んだ事もないし、取り組もうとも思わない。 趣味は読書。 部屋はライトノベルやマンガが本棚二個分あること以外変わった物もない。 たまに、世界がライトノベルやマンガのようだったらいいな、と思ってもそんな事はありえないと心のどこかではわかっていた。 夏休み前、7月19日に俺の平凡な日常に変化が訪れた。 突然広がったのは幻想的な蒼い炎。 その異常な世界で悠然と立つ一人の少女。 彼女は言った。 俺の人生に終わりを告げにきたと…。 しかし、俺はそう思わなかった。 むしろ、逆だと思った。 彼女との出会いは始まりを意味しているのではないかと、心のどこかでそう思っていた。 そう、まるで長い長い物語のプロローグが始まったのではないかと………。
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