風を切って商店街へ

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商店街 夕方 未緒 「こらぁ、ふらついてるぞ?」 司 「重いんだよ!」 バシッ! 司 「いてっ💦」 未緒 「もぉ、なんて事言うかなこの男は」 司 「乗せてやってんだから、飯オゴれよな!」 未緒 「これ、私の自転車!」 司 「ったく、何で俺が・・・・・」 学校そばの商店街。部活帰りの買い食いに重宝している場所。 その中を自転車で突っ切る。 部活後のほてった体には、冷たい風も心地よかった。 一ノ瀬の自転車に乗せて貰うと、いつも漕ぎ役だ。 スピード出せだのふらつくなだの、後ろからうるさい。 ガタンっ 未緒 「きゃっ!?」 司 「うぐぅっ?!くっ、苦しい、首絞めるな💦💦」 未緒 「もぉ・・・・・ちゃんと運転してよね💨」 司 「・・・・・へぇへぇ・・・・・」 ・・・・・コイツ、コロンなんか使ってんだ・・・・・ 抱きつかれたとき、かすかに柑橘系っぽい匂いがした。 未緒 「万里かぁ、なんか久しぶりだなぁ」 司 「何言ってンだ、先週行ったくせに💨」 未緒 「細かいなぁ💨いいじゃん」 未緒 「そういえばさ、まだおじさん帰ってきてないの?」 司 「ああ、なんか出張が延びたって、おととい電話があった」 未緒 「ふーん、大丈夫なの?一人で」 司 「別に・・・・・慣れてる。それに、正月までには帰ってくるさ」 未緒 「でもさ、いいよね一人暮らし。やってみたいなぁ」 司 「最初のうちはいいんだけどな、洗濯とか掃除とかゴミ捨てとか全部やんなきゃいけねーんだよな」 未緒 「それはちゃんとしない司が悪い」 司 「だれか代わりにやってくれたら、楽なんだけどさ」 未緒 「そんなんじゃいつまでたっても、自立できないぞ」 司 「まったくだ」 未緒 「そうだ、お母さんが遠慮しないで、ご飯食べに来てもいいわよって言ってた」 司 「ああ、ヤバくなったら行くよ」 未緒 「ちゃんとご飯作ってる?ラーメンとかコンビニのお弁当だと栄養偏るよ?」 司 「今度家に来たら、男の手料理ごちそうしてやるよ」 未緒 「カレー?それともパスタ?どーせ簡単なヤツでしょ?」 司 「ふっ、俺の愛情ポトフ食って驚くな?」 未緒 「あはは、何それ?」 司 「よし、着いたぞ」
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