2人が本棚に入れています
本棚に追加
住宅街
夕方
美乃
「あれっ、司くーん、今日は部活?」
司
「ああ、そのあとメシ食ったりしてたんだ、春日は買い物か?」
美乃
「うん、うちはこれから準備なんだよ」
春日は両手いっぱいの買い物袋を持ち上げてみせる。
司
「いつも大変だな、家の面倒までみるのも」
美乃
「ううん、お母さんと交代でやってるし、もう慣れっこだよ」
司
「そうか・・・あ、荷物途中まで持つよ、重そうだしな」
美乃
「ありがとう」
家を空けることが多い看護婦の母親に代わって、春日は家事を受け持っている。
小さい頃からやっていたらしいので、普段の生活にもその手慣れた感じが見えたりする。
司
「結構いっぱいあるけど、まとめ買いか?」
美乃
「うん、それとうちは育ち盛りがいるから」
司
「確か弟と妹だったよな?」
美乃
「そっ、まだ紹介してなかったね、二人が来てから、結構にぎやかになったよ」
最近、春日の母親が再婚した。
名字は美馬から春日に変わり、再婚相手に子供がいたので、春日はお姉さんになった。
それまでは、母親と二人暮らしだったらしい。
司
「そういえば、オヤジさんは?」
美乃
「お父さんは、単身赴任中なんだ。なかなか仕事の引継が出来ないみたいで」
司
「そっか・・・・・」
美乃
「でも、お正月はお休みとれそうだから、久々に家族がそろうよ」
司
「よかったじゃないか、家族水入らずで」
美乃
「うん、あの子たちも喜ぶと思う。司君は寂しくないの?今一人暮らしなんでしょ?」
司
「まぁ、たまにいない方がいいな」
最初のコメントを投稿しよう!