微笑ましい家族

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住宅街 夕方 美乃 「あれっ、司くーん、今日は部活?」 司 「ああ、そのあとメシ食ったりしてたんだ、春日は買い物か?」 美乃 「うん、うちはこれから準備なんだよ」 春日は両手いっぱいの買い物袋を持ち上げてみせる。 司 「いつも大変だな、家の面倒までみるのも」 美乃 「ううん、お母さんと交代でやってるし、もう慣れっこだよ」 司 「そうか・・・あ、荷物途中まで持つよ、重そうだしな」 美乃 「ありがとう」 家を空けることが多い看護婦の母親に代わって、春日は家事を受け持っている。 小さい頃からやっていたらしいので、普段の生活にもその手慣れた感じが見えたりする。 司 「結構いっぱいあるけど、まとめ買いか?」 美乃 「うん、それとうちは育ち盛りがいるから」 司 「確か弟と妹だったよな?」 美乃 「そっ、まだ紹介してなかったね、二人が来てから、結構にぎやかになったよ」 最近、春日の母親が再婚した。 名字は美馬から春日に変わり、再婚相手に子供がいたので、春日はお姉さんになった。 それまでは、母親と二人暮らしだったらしい。 司 「そういえば、オヤジさんは?」 美乃 「お父さんは、単身赴任中なんだ。なかなか仕事の引継が出来ないみたいで」 司 「そっか・・・・・」 美乃 「でも、お正月はお休みとれそうだから、久々に家族がそろうよ」 司 「よかったじゃないか、家族水入らずで」 美乃 「うん、あの子たちも喜ぶと思う。司君は寂しくないの?今一人暮らしなんでしょ?」 司 「まぁ、たまにいない方がいいな」
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