悠久なる過去

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通学路 司 「さてと、今日で終わりだし、とっとと終わらせるか・・・」 二年生の冬の期末試験最終日。 憂鬱な日々も今日でひとまず終わり。 後はのんびりと、今年の終わりをむかえるだけだ。 美乃 「あ~、司君、刹那君、おはよ~」 司 「オス・・・・・美馬・・・じゃない・・・・・春日」 刹那 「やあ、おはよう」 彼女は春日美乃(かすがよしの)。 クラスメイトでしっかり者。いつも陰ながら世話を焼いてもらってる。 母親が再婚したので、名字が美馬から春日に変わった。 美術部部員で、過去にいくつかの賞を貰っているほどの腕前。 美乃 「同じ電車だったんだね。二人って、いつも一緒に来てるの?」 司 「まさか」 刹那 「おいおい、親友なのにつれない奴だな」 司 「言ってろ💨」 春日は俺たちのやりとりを、ニコニコしながら見守っている。 彼女は控えめなところもあるが、面倒見が良く、俺たちの間では母親的存在っぽい。 俺、刹那、春日、一ノ瀬で、よくつるんで遊んだりする仲だ。 司 「春日はいつもこの時間か?」 美乃 「うん、だいたいはね。今日はお弁当作ってたから、遅くなっちゃった」 美乃 「ねぇ、二人ともテストの方は大丈夫?あたし、も~散々だよ」 司 「こっちも、似たようなもんさ。そういや、春日は・・・・・就職クラスにするんだっけ?」 美乃 「一応そっちで考えているんだけど・・・・・進学するっていっても、あたし成績よくないから」 刹那 「美大方面だったら、そこまで学科は厳しくないと思うが」 美乃 「うん・・・・・・・そうなんだけどね」 司 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 来年、クラス分けの試験がある。 春日は美術部だから、美大とか専門学校に進学するのかと思っていたが、就職を希望しているらしい。 せっかく仲良くなったのに別クラスになるのは寂しく残念だ。 刹那 「心配しなくても、今からでも挽回出来る。コイツでさえ、進学出来るぐらいだしな」 司 「悪かったな、進学志望のくせに頭悪くて」 刹那 「フッ、そこまで言ったつもりはない」 司 「お前と話してると、頭痛くなってくるぜ」
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