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朝食を食べ終え、私は何気なく時計を見た。 あれ……壊れた? 電池切れたかな? 食べる前と変わらない、丸の中のふたつの針。 腕時計を見る。 コンポのデジタル表示を見る。 ……すべての時計が、朝の7:05でフリーズしていた。 「何これ」 つぶやくと、不意に背後に気配を感じる。 ハッとして振り返ると、先程まで気持ちよさそうに眠っていたはずの白蛇が、鎌首をもたげて私を見つめていた。 確かに、見ている。それもひどく穏やかなまなざしで。 おでこの真紅が、自らの意思で輝きを増したように思えたその時……、 「おはようさん」 と、蛇の口元からやけに軽い挨拶が繰り出された。 長い舌が、声に合わせてチロチロと忙しなく動く。 「時間はオイラが止めたので、会社急がずオッケーオッケー」 おでこからより一層妖しい光を放ちながら、蛇は緊張感なくそう続けた。 「だからオイラの頼みを聞いて。お姉さん」 私は時計と共にフリーズしたくなる頭をフル回転して、どうにか口を開く。 「……あなたは誰? どこから来たの?」
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