『恋』

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○明日香の部屋 ダンボール箱のフタをガムテープで止める明日香。 机の上の写真を見る。 明日香と健二の写っている写真。 明日香のN「そう言われれば、私は彼の事何も知らない」 *       *      * 『若菜集』を読んでいる明日香。 明日香のN「それどころか、彼も私の事を何にも知らない」 *       *      * 夜。 机に向かい、黙々と本を読んでいる明日香。 携帯電話の着信音。 我に帰り、携帯電話をとる。 明日香「もしもし・・・・早苗・・・・ウン・・・・いいよ、観光なんて・・・・確かにそうだけど・・・・明日・・・・ウン」 本に目を戻すと 明日香「ウン・・・・ありがとう・・・・」 電話を切る。暫く、本を眺めた後、 明日香「(ポツリと)東京か」 明日香、・・・・。いきなり、本を壁に向かって投げつける。 明日香「何やってんだろ、私」 必死に涙をこらえている。 *       *      * 朝。 そのまま眠ってしまっている明日香。 又も寝汗。うなされている。 チャイムの音がしている。 目を覚ます。 チャイムの音、なおも。 目覚し時計を見て驚く。
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