『恋』

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○公園 ここは去年の夏、明日香と早苗が花火をやっていた場所。 明日香、線香花火をしている。 早苗、明日香の横で手持ち花火をしている。 健二、二人の後で花火を選んでいる。 明日香、背後の健二を意識している。 早苗の花火が終わる。 早苗、明日香を見ている。 早苗「(わざとらしく)あ、あのさ、私、ちょっとトイレ・・・・」 明日香「エッ!」 線香花火の先端が落ちる。 早苗、奥へと駆けていく。 明日香、新しい線香花火に火を付けようとした時、 健二の声「中嶋」 明日香「!(振り返る)」 健二「俺にもそれ、ちょうだい」 明日香「ウ、ウン」 *       *      * 線香花火が二つ並んで燃えている。 線香花火を見ている健二。 健二を見ている明日香。 健二「なあ?」 明日香「(顔を花火に向け)ナ、何?」 健二「足、治ったか?」 明日香「エッ、足・・・・ウ、ウン」 健二「そう」 明日香「(思い切って)田中君」 健二「ん?」 明日香「私・・・・どうなのかな?」 健二「どうって?」 明日香「その・・・・女として」 健二「(花火を見つつ)イイんじゃない」 明日香「本当?」 健二、花火を見ている。 明日香「田中君、彼女いる?」 健二「いないよ」 明日香「好きな人は?」 健二「・・・・いた・・・・な」 明日香「どんな人?」 健二「俺と同い年なんだけど」 明日香、ドキッとする。 健二「目茶苦茶、頭よくて先に大学入っちゃったんだけど・・・・どうしてるかな、アイツ」 明日香、落ち込んでいる。
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