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さて、場所は変わって綺麗な川辺。
双子の美形兄弟は草原で寝転んでいた。
兄―高杉森―は弟―高杉晋助―を見つめる。
「何だよ兄貴」
「何でも無いですよ」
「じゃあ見んな」
「晋助」
「あぁ?」
「今年は少し楽しめそうですね」
森が笑う。
それに晋助も笑った。
「お兄ちゃん、帰ろう?」
二人を呼ぶ声が聞こえ、二人が身体を起こせば後ろに妹である―高杉亜夜芽―の姿があった。
「亜夜芽、お前も今年から高校生だな」
晋助は滅多に見せない優しい笑みで妹を見つめる。
亜夜芽が小さく頷き、「つまらなそうだけど」と呟いた。
3人は静かに川辺を見つめる。
静けさは嵐を呼ぶ予兆。
3人は弧を描く様に美しく笑った。
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