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話は変わり、砂那達はクラス委員を決め終わり授業を終えた。
もう帰宅できる。
砂那は意気揚々とひとり1年校舎へと向かう。
幼馴染みの相沢涼子を迎えに行くためである。
1年校舎に着くとZ組を探した。
廊下を歩くと奥の方に古びた階段がある。
その階段を通り過ぎると旧校舎があり、そこに1年Z組の教室が在った。
「おい、涼子ー迎えに来たぞー」
教室を覗くと涼子は同級生の女子と話をしていた。
「あ、砂那!
ちょっと待って!
あ、じゃあまた明日ね高杉さん」
涼子はそう言って女子生徒に手を振る。
その女子生徒に目をやり砂那は目を丸くした。
余りにも涼子と似ていたのだ。
「ごめんお待たせ!」
「あ、あぁ。
なぁ涼子、あのこ友達?」
「ん?高杉さん?」
「そー高杉さん」
「うん!」
元気良く返事をする涼子に可愛いな等と思いながらも砂那は‘高杉さん’から目を離せなかった。
雰囲気こそ違うが姿は涼子と瓜二つだ。
ふと視線の先の少女と目が合う。
一応笑いかけるが反応は無い。
そして砂那は潔く気付くのだ
少女の視線は自分では無い誰かを見ている…と。
そして砂那がその視線を追うように後ろに振り向くと
高杉森がこちらに近づいてくるのが見えた。
そして彼は少し大きな声で
「亜夜芽」
と、少女の名前を呼んだ。
亜夜芽と呼ばれた少女は無表情に笑って鞄を手にとった。
「あのこってもしや高杉兄弟の妹か?」
ポツリと呟いた砂那に涼子は振り返り頷いた。
「朝もあの人達と一緒に来てたよ!双子なんだよね高杉さんのお兄さん」
その言葉に砂那の考えは正解だったと裏付けられる。
砂那は高杉亜夜芽を見つめるのを止めて、涼子と共に帰宅する事にした。
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