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翌朝、砂那は涼子を迎えに行った。
弟の那都と3人での登校。
「それでね、昨日高杉さんと携番交換してね」
涼子の会話の主は砂那が昨日見た‘高杉さん’についてだった。
「ふーん」
砂那は興味が無い素振りを見せながらも話に耳を傾けている。
「でね、あやめちゃんて呼んで良い?って聞いたらさー
別に
って!エリカ様かよって思わず爆笑したら、電話切ったんだよ?
無言で!!
もう絶対毎日電話してやる!
絶対一緒に馬鹿笑いできるようになる!」
余りに楽しそうに話す涼子を砂那は横目で見ながら小さく笑う。
那都はと言うと
ふたりだけの世界を創る兄と幼なじみにため息を溢していた。
兄である砂那が羨ましいと思う反面、涼子の砂那への感情が家族愛にも似たものだと知っている
だから自分に対してとは全然違う態度でも那都はあまり不満は無かった。
むしろ恋敵である筈の砂那を不敏にすら思う始末だった。
「ちょっ砂那聞いてる?」
「あ?あーうん。昼飯がどうしたよ」
「そんなこと言ってない!」
那都は諦めた顔をしてふたりだけの世界を壊さないようになるべくふたりから離れて歩いた。
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