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「…おはよう相沢さん」
「あぁ!あやめちゃんおはよぉ!!」
那都がそろそろ居心地が悪くなってきた頃、3人は学校の近くまで来ていた。
そして3人の後ろから自転車で現れた高杉森とその後ろに乗る高杉亜夜芽。
そして2人の隣には欠伸をしながらバイクにまたがる高杉晋助。
この兄妹達が揃えば壮観だ。
「…本当に亜夜芽にそっくりですね」
森が涼子を見ながら小さく呟いた。
晋助の方は無言ながらも涼子をガン見している状態だ。
「言ったでしょう?
相沢さんと私、そっくりだって」
兄達にそう言いながら亜夜芽は涼子の方へと近づいた。
2人が肩を並べれば双子同然だ。
「確かに…」
森が自転車から降りて涼子に近づいた。
晋助も同じように涼子の方へと向かう。
高杉兄妹に囲まれる形になった涼子は目を丸くしていた。
「涼子…って名前で間違いねぇなぁ?」
晋助が問う。
涼子はその問いに静かに頷いた。
「…君の両親について2、3質問があるんですが宜しいですか?」
今度は森が問う。
涼子は再び目を丸くした。
そして急に、涼子が3人から逃れるように隙を見つけて走った。
走れば直ぐそこに不機嫌そうな砂那が居る。
逃げてきた涼子の手を掴み砂那はとりあえず校舎へと走った。
那都だけがその場に立ち塞がるように残る。
「邪魔しないでくれる?」
亜夜芽が那都を睨むように見つめるが那都は怯まない。
「涼子が逃げたのは兄貴が合図出したから
俺が残ったのは高杉一家に聞きたいことがあるから」
那都がポツリポツリと呟いた。
「もしかしてって昨日思った。
今日、あんた達が涼子に絡んできたから確信になった
高杉家と涼子は関係ない。
だから関わんな」
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