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散々怒鳴り散らした砂那は琉依と共にクラス表を見直していた。
「つーか、お前も同じクラスかよ」
「前は違うクラスだったのにねー」
「なんか憂鬱だな」
「僕もー」
そんな会話を繰り広げながらも次々に表に書かれた名前を見ていくふたり。
「坂田と土方って入学式早々にホモ騒動起こした元A組の奴等だよな」
「砂那君、良く覚えてるねー。
あ、A組の秋坂さんも同じクラスみたい」
「つか、A組から来てるのってこの3人だけかよ」
「B組は…あ、僕と勇樹だけだ」
琉依がそう呟いた瞬間だった
「琉依!同じクラスなんだな俺達!」
いきなり真後ろから大きな声が発せられ
琉依が驚く暇もないうちに涙を流しながら砂那に抱きつく男
―木村勇樹―
「砂那~お前とも同じクラスとか嬉しいぞ俺は!」
「うざい離れろ」
大騒ぎする彼を砂那は冷たく突き放す。
が、勇樹は離れるどころか益々くっつく。
「ちょっ!離せ馬鹿!」
「うわぁん!砂那ぁあー!!嬉しいぞ俺ぁぁあ」
「分かった!分かったから離せ!つか泣くな!」
「うっ…砂那ぁぁあ久しぶりだなぁ!」
「いやそうだけど!
確かに3ヶ月位まともに会ってねぇよ
だけど泣くな!
生き別れの兄弟か俺たちは!」
「…お兄ちゃーん!うわぁーん」
「誰がお兄ちゃんだ!!」
騒がしい彼等のやり取りを放置しながら琉依はちらりとクラス表を見に来る生徒達を見やった。
そこには中学時代からの友人―藤山景吾―の姿も在った。
琉依達には気付いてないようでクラス表を見終われば直ぐさま、踵を返してどこかへと歩いて行く。
ふと景吾のクラスが気になり琉依がクラス表を再び見つめると同じクラスだという事が分かった。
「あれー?Bクラスも3人だけ?」
呟きながら、表に書かれた名前を再度見つめ直す。
「A組からは秋坂、坂田、土方。
B組からは僕と、勇樹…と景吾
C組からは高杉兄弟と
後は…
て、ていか…むい…
…鄭神威って読むんだこれ
難しいなこの名前…
でもって…
D組からは砂那君と宮瀬姉か…
あれ?
うそ…クラスメンバーこれだけ?」
琉依は一通りクラス表を見て呆然と立ち尽くした。
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