一章~諦めた恋と始まる愛~

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銀時は考え込んでいた。 とにかく考え込んでいた。 「ヤバイなぁ…」 考え過ぎて土方まで心配する始末だ。 「高杉兄弟と同じクラスな事か?」 「トシ…違うのよ…ほらヤバイの来るだろ?」 「神威か?」 「あーあれはヤバイよな… 何でも女を公共の場で全裸にして停学受けてたらしいぜ」 「あー秋頃にそんなんあったな」 「つーか停学の前に捕まらねえ?普通」 「あーだな。」 「てゆーかやべーよ」 「だから何が?」 「プリン食い過ぎた。」 「…」 「……」 「知るかぁあああ!」 土方はシャウトした。 「たっく……何に悩んでるかと思えばそれかよ!」 「馬鹿っお前!大事な事だぞ?糖尿になるかならないかの瀬戸際よ?」 「馬鹿はお前だ!大体分かってんなら控えろよ」 「糖分ー」 「……馬鹿だろ」 そう言って呆れた顔をした土方に銀時は困ったように笑う。 「何笑ってんだよ。大体お前は毎回ふざけ過ぎだ」 構ってほしくてついふざけてしまうのはご愛嬌。 「ホント…馬鹿だよなお前」 土方が自分を見てくれるのなら馬鹿にだってなる。 「大体お前はなー」 銀時はそんな思いをひた隠しにしながら土方の話に耳を向け、そしてまた笑って見せた。 「…何笑ってんだよさっきから」 「トシー」 「あぁ?」 「今年は多分厄介な年になるぞー」 「何だよいきなり」 「いやぁほらー そうちゃんとか あっちゃんとかぁ 可愛い後輩ができんだろぉー?」 「それがなんだ」 「そうちゃん関連で揉めたら神威君に殺されちゃうしー あっちゃん関連だったら高杉兄弟にリンチー とにもかくにも僕ら大変だなーってこ・と☆」 ふざけたような口調と真剣な瞳が余りに噛み合っていない。 それでも銀時の言葉に少しだけ納得はしていた。 今年は、1年に厄介なのが来る。 先程銀時が「やべぇ」と言っていたのはこの事か… 土方は全てを悟り、静かに空を見上げた。 「ま、厄介でも何でもお前が居れば俺は楽しいから良いよ」 土方がそう呟くと銀時は綺麗に微笑む。 「ま、俺等大親友だもんなー 俺もお前が居れば後は何でも良いや」 そう言って微笑む銀時に土方は切なく笑う。 同じ言葉も 意味が違えば虚しいだけ それでも綺麗に笑う銀時を見られれば土方は満足だった。
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