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目を覚ましたとき、そこは見知らぬ場所だった。
「どこだ、ここ」
体中痛むのをこらえて香坂水樹(こうさかみずき)は体を起こす。
どうやら自分は、今までふかふかのベッドで眠っていたようだ。
辺りを見渡しても見覚えのあるものなどない。
というより、絶対自分には縁のないと思われるものばかりが取り囲んでいる。
ベッドの枕元やたんすの上には、数々のぬいぐるみ。カーテンは水色を基調とし、うっすらと花などの模様が入っている。
これは、どこからどう見ても〝女の子〟を連想させられる。
心当たりなどあっては、たまらない。
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