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はっとしてそちらに目を向ける。
すると顔を出したのは、背の低いかわいらしい少女だった。
肩につくくらいの黒髪にセーラー服をまとった彼女は、にっこり笑って水樹を見る。
「目、覚めた?」
彼女の口から出た言葉に反応できず、唖然と彼女を見つめる。
その童顔に似合った子供っぽさの残る喋りだ。
声と口調と顔に何の違和感もないし、なぜだか不信感も抱かなかった。
「体平気? どこか痛む?」
続いて聞いてくる少女に返事をしようとする。
とにかくこの状況はなんなのか聞き出さねば。
が、それは不可能だった。
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